
睡眠呼吸障害:SDB (睡眠時無呼吸症候群:SAS)
睡眠呼吸障害:SDB(睡眠時無呼吸症候群:SAS)とは、睡眠中の呼吸中枢の異常や空気の通り道(気道)が狭くなることなどによって睡眠中に無呼吸・低呼吸(呼吸が浅く・弱くなること)を繰り返す病気です。
睡眠呼吸障害は無呼吸の原因の違いから閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と中枢性睡眠時無呼吸(CSA)に分けられます。
OSAは喉の部分の気道(上気道)が狭くなったり、閉じることによって生じるものです。睡眠中に上気道が狭くなっているサインであるいびきがみられ、呼吸しようとする胸郭・腹筋の動きは無呼吸時にもみられます。典型的には睡眠中いびきをかいていると思ったら呼吸がふいに止まり、その十秒~数十秒後に大きないびきとともに呼吸が再開したり、目が覚めるということを一晩に何度も繰り返しています。CSAは主に呼吸中枢の問題によって呼吸の努力を伴わない無呼吸・低呼吸がみられるもので、心不全に多く合併します。
一般的な睡眠時無呼吸の大半はOSAですので、以下OSAについてご説明します。
OSAの自覚症状は日中の眠気、起床時の頭痛、口渇感、だるさ、意欲低下、夜間頻尿、ひどい寝汗などです。一緒に寝ているご家族から睡眠中のいびきや無呼吸、無呼吸後のあえぐような荒い呼吸を指摘されることもあります。気道が狭くなる原因としては肥満、扁桃肥大、もともと下顎が小さい、加齢による喉の筋力低下、飲酒の影響で喉の筋肉が緩む、といったものがあります。
OSAの重症度はAHI(無呼吸低呼吸指数)で表されます。AHIとは1時間で10秒以上の無呼吸・低呼吸が発生する回数を示すものです。
検査の結果が以下の状態であればOSAと診断されます。

| □ | AHIが5以上あり、日中の眠気、いびき、夜間頻尿、起床時の頭痛など自覚症状を認める場合 |
|---|---|
| □ | AHIが15以上の場合(症状の有無は問わない) |
AHIの値によるOSAの重症度は以下のように分けられます。
| 閉塞性睡眠時 無呼吸の重症度 |
軽 症 | AHIが5以上(15未満) |
|---|---|---|
| 中等症 | AHIが15以上(30未満) | |
| 重 症 | AHIが30以上 |
OSAになると無呼吸・低呼吸から酸素不足となります。そして少ない酸素を全身に送るために心臓や血管に負担がかかります。
この状態が長く続くと高血圧(特に薬物治療が効きにくい高血圧)や心不全、脳卒中など様々な病気が引き起こされるリスクが高まります。
OSAでは脳卒中は3.5倍、高血圧を含む心疾患は2~4倍に発症リスクが高まるという報告があります。特にAHI 30以上の重症OSAでは心血管病の発症率は約5倍にもなり、OSAの患者さんの心血管病による死亡率は通常の2.2倍高くなります。OSAによる日中の眠気や集中力の低下から、OSAの患者さんは一般ドライバーと比較して自動車運転中の交通事故が2.4倍多いといわれています。
OSAを疑われた場合、まずはご自宅で簡易検査機器を装着してAHIなどの評価を行います。簡易検査ではご自宅で指先センサと呼吸センサ(鼻カニューレ、胴回りのセンサ)をつけて寝てもらい、血液中の酸素と呼吸を評価します。簡易検査の結果によっては治療開始または精密検査(ポリソムノグラフィー:PSG検査)が必要となります。精密検査は脳波や筋電図など様々なセンサを装着するもので、専門医療機関での一泊入院が必要になります。
OSAの治療として最も効果が高いものはCPAP療法(シーパップ、持続陽圧呼吸療法)です。CPAP装置からホース、マスクを介して空気を気道に送りこみ、常に圧力をかけて気道が塞がらないようにします。CPAP治療によって無呼吸やいびきが減り、日中の眠気や頭痛などの改善が期待できます。また、高血圧の改善、心血管病による死亡率の減少なども期待できます。
CPAP療法の導入時、空気が送り込まれる抵抗感に慣れるまで2~3ヶ月かかる場合があります。
CPAP以外のOSAの治療としてはマウスピースで下あごを前方に引き出すように固定して気道を広げる方法や、扁桃肥大などに対する手術療法があります。
また、ご自分でできる対策として肥満が原因であれば体重を減らす、寝る前の飲酒を避ける、横向きに寝るなど生活習慣の改善をまず行うことが必要です。
どうでんクリニックでは閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の簡易検査による診断とCPAP療法が可能です。日中の眠気、いびき、夜間頻尿、朝方の頭痛などでお困りの方はお気軽にご相談ください。OSAの治療を通じて心血管病の予防、慢性頭痛の改善、自動車事故の減少、活動的な生活を目指します。
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